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第9話「ママの涙」― 安心できる居場所が、人を少しずつ前へ進ませる

はじめに

「このままで大丈夫なんだろうか。」

不登校。発達特性。グレーゾーン。学校に馴染めない。友達との関係に悩んでいる。勉強への苦手意識が強い。

子ども自身も苦しいですが、その隣で保護者もまた大きな不安を抱えています。

合同会社縁紡(えにつむぐ)が運営するオンラインスクール「Enlavit(エンラヴィット)」には、そんな悩みを抱えるご家庭から多くのご相談をいただきます。

今回ご紹介するのは、Enlavit(エンラヴィット)の活動の中で実際によく見られる光景をもとにした「ママの涙」というお話です。

子どもが変わる前に、親が疲れ切ってしまうこともある

学校へ行けない。部屋から出てこない。好きなことも見つからない。

そんな状態が続くと、保護者は毎日考えます。

「将来どうなるんだろう。」
「社会に出られるのかな。」
「私の育て方が悪かったのかな。」

誰かに相談しても、

「そのうち行くようになるよ」
「甘やかしているんじゃない?」

と言われてしまうこともあります。

だからこそ、不安を一人で抱え込んでしまう保護者の方は少なくありません。

「もう一回やってみる」が聞こえた日

Enlavit(エンラヴィット)では、動画編集やデザイン、SNS運用、Web制作などを通じて、子どもたちが自分の「好き」を見つけるきっかけづくりを行っています。

ある日、一人の生徒が動画制作に取り組んでいました。

最初はうまくいきません。途中でやめたくなることもありました。

それでも画面に向かってこう言いました。

「もう一回、動画作ってみる。」

その言葉を聞いた保護者の方は驚いたそうです。

なぜなら、それまで何かに対して前向きな言葉を発することがほとんどなかったからです。

大切なのは「できる」ではなく「やってみたい」

世の中では結果ばかりが注目されます。

学校へ行けた。テストの点数が上がった。資格を取った。就職できた。

もちろんどれも素晴らしいことです。

しかし、その前にもっと大切なものがあります。

それは「やってみたい」という気持ちです。

人は安心できる場所があるから挑戦できます。

安心できる人がいるから失敗できます。

安心できる環境があるから前を向くことができます。

発達特性や繊細さは「個性」でもある

Enlavit(エンラヴィット)には、ADHD傾向のある子、ASD傾向のある子、HSP気質の子、学校という環境が苦手な子、人との距離感に悩む子など、さまざまな子どもたちが参加しています。

もちろん特性によって困りごとはあります。

しかし私たちは、それを単純に「欠点」だとは考えていません。

人よりも深く考えられる。興味を持ったことに強く集中できる。細かな違いに気づける。独自の発想ができる。

そんな強みを持っている子もたくさんいます。

大切なのは特性を消すことではなく、活かし方を知ることです。

私自身も「できない側」の人間だった

私は兵庫県淡路島で生まれ育ちました。

6歳のときにムンプス難聴を発症し、右耳の聴力を失いました。

周りと同じようにできないことがありました。将来への不安もありました。夢を持つことが怖かった時期もありました。

だからこそ、今苦しんでいる子どもたちや保護者の方の気持ちが少し分かります。

「頑張れ」と言われても苦しいときがあります。

必要なのは「大丈夫だよ」と言ってくれる場所です。

淡路島から大阪、東京から千葉県松戸へ

現在、私は千葉県松戸市を拠点に合同会社縁紡を運営しています。

島うさぎコーヒー。島のおやつ。Enlavit(エンラヴィット)。

一見すると別々の事業に見えるかもしれません。

しかし根っこにある想いは同じです。

「人と人とのご縁を紡ぐこと」

コーヒーも、お菓子も、教育も、すべては人と人をつなぐための手段です。

エンラヴィットはオンラインだからこそ届く支援がある

地方だから。学校へ行けないから。外出が難しいから。

そんな理由で学びや居場所を諦めてほしくありません。

オンラインスクールだからこそ、日本全国どこからでも参加できます。

淡路島でも。松戸でも。北海道でも。沖縄でも。

自宅から安心して参加できます。

無理に人前へ出る必要もありません。

まずは自分のペースで関わることから始められます。

保護者が泣いた理由

ある保護者の方が面談でこう話してくれました。

「ずっと不安だったんです。」
「毎日、将来のことばかり考えていました。」
「でも今日、あの子が笑っていて。」

その言葉とともに涙を流されました。

子どもが急に変わったわけではありません。

学校へ行けるようになったわけでもありません。

ただ、「もう一回やってみる」という言葉が出た。

それだけでした。

でも、それが希望でした。

安心できる場所があると、人は少しずつ前を向ける

Enlavit(エンラヴィット)は勉強だけを教える場所ではありません。

動画編集を教えるだけの場所でもありません。

私たちが本当に目指しているのは、

安心して失敗できる場所。
安心して挑戦できる場所。
安心して自分らしくいられる場所。

です。

そしてその安心は、子どもだけではなく保護者にも届いてほしいと考えています。

おわりに

今の悩みは、未来の強みになるかもしれません。

今の遠回りは、未来の自分を助けてくれるかもしれません。

不登校も。発達特性も。繊細さも。

決して人生の終わりではありません。

Enlavit(エンラヴィット)はこれからも、一人ひとりの「やってみたい」を応援していきます。

安心できる場所があると、人は少しずつ前を向ける。

それが、合同会社縁紡が届けたい想いです。

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