「与える経験」が自己肯定感と自己効力感を育てる理由
学校へ行けない。
勉強が思うように進まない。
周りと比べてしまう。
そんな悩みを抱える子どもや保護者は少なくありません。
不登校という言葉を聞くと、多くの人がまず学力の遅れを心配します。
「授業についていけなくなるのではないか」
「将来困るのではないか」
「社会に出られなくなるのではないか」
もちろん学びは大切です。
しかし本当に大切なことは、勉強だけなのでしょうか。
私たちは不登校支援や学習支援に関わる中で、一つの答えにたどり着きました。
それは、
子どもたちに必要なのは、誰かの役に立てたという経験かもしれない
ということです。
そしてその考え方の原点には、学生時代に出会った一つの講演がありました。
学生時代に出会った「Give and Take」
学生時代、私は組織心理学者である のTED Talkに強い衝撃を受けました。
TED公式: https://www.ted.com/talks/adam_grant_are_you_a_giver_or_a_taker
その講演で語られていたテーマは、
「あなたは与える人か、奪う人か」
というものです。
アダム・グラント氏は人を大きく3つのタイプに分けています。
- 与える人(Giver)
- 奪う人(Taker)
- バランスを取る人(Matcher)
そして研究結果から見えてきたのは、
「与える人は損をする」
という一般的なイメージとは異なる事実でした。
確かに与える人の中には失敗する人もいます。
しかし同時に、最も成功している人たちもまた与える人だったのです。
私はこの考え方に強く惹かれました。
そして今振り返ると、
エンラヴィットの考え方にも大きく影響しているように思います。
不登校の子どもたちが失いやすいもの
不登校になると、多くの子どもたちが失ってしまうものがあります。
それは学力だけではありません。
むしろ本当に失いやすいのは、
自信
です。
学校へ行けない。
周囲と違う。
できないことばかり目につく。
すると、
「自分はダメなんじゃないか」
という感覚が少しずつ積み重なっていきます。
保護者もまた悩みます。
励ました方がいいのか。
見守った方がいいのか。
何をしてあげればいいのか。
正解が見えないまま時間だけが過ぎていくこともあります。
しかし私たちが関わってきた中で感じるのは、
子どもたちは決して何もできないわけではないということです。
好きなことには可能性がある
ゲームが好き。
イラストが好き。
動画編集が好き。
歌が好き。
お菓子作りが好き。
動物が好き。
コーヒーが好き。
どんな子にも好きなことがあります。
ところが大人になると、
「それは将来役に立つの?」
という視点で見てしまいがちです。
でも実際には、
好きなことこそが成長の入り口になることがあります。
好きだから続けられる。
好きだから工夫する。
好きだから学ぶ。
好きだから誰かに伝えたくなる。
そこには学校のテストでは測れない力が育っています。
自己肯定感よりも自己効力感
近年よく聞く言葉に「自己肯定感」があります。
もちろん大切です。
しかし私たちがさらに重要だと感じているのは、
自己効力感
です。
自己効力感とは、
「自分ならできるかもしれない」
という感覚のこと。
これは褒められるだけでは育ちません。
実際にできた経験が必要です。
誰かに喜んでもらえた。
感謝された。
役に立てた。
そんな経験が積み重なることで、
子どもたちは少しずつ自信を取り戻していきます。
与える経験が人を成長させる
ここでGive and Takeの考え方が繋がってきます。
多くの子どもたちは、
支援を受ける側になります。
もちろんそれは必要です。
しかし支援を受けるだけでは、
自分の価値を実感しにくいことがあります。
だからこそ私たちは、
与える経験
を大切にしたいと思っています。
誰かを喜ばせる。
誰かを応援する。
誰かの役に立つ。
その経験が、
「自分にも価値がある」
という実感に変わっていくからです。
小さなオーナー体験が生み出すもの
エンラヴィットでは、
子どもたちが自分で考え、自分で行動し、自分で価値を生み出す体験を大切にしています。
例えば、
絵を描く。
作品を作る。
販売する。
接客する。
売上を受け取る。
そしてそのお金を使う。
一見すると小さな体験です。
しかしこの中には多くの学びがあります。
責任感。
挑戦する力。
コミュニケーション力。
創造力。
感謝。
そして何より、
自分で価値を生み出せたという成功体験です。
エンラヴィットが目指す居場所
私たちは学習支援だけを目的にしているわけではありません。
オンラインスクールだけでもありません。
フリースクールだけでもありません。
コミュニティだけでもありません。
エンラヴィットが目指しているのは、
「好き」を否定されない居場所
です。
学校へ行っていてもいい。
行っていなくてもいい。
勉強が得意でもいい。
苦手でもいい。
まずは自分らしくいられること。
そこから成長が始まると考えています。
大人にも居場所は必要
実は居場所を必要としているのは子どもだけではありません。
社会人になっても、
営業の悩み。
人間関係の悩み。
将来への不安。
孤独感。
さまざまな問題を抱えています。
だからエンラヴィットは、
子どもだけでなく大人も繋がれる場所を目指しています。
誰かを応援できる人がいる。
話を聞いてくれる人がいる。
挑戦を後押ししてくれる人がいる。
そんな環境が人生を大きく変えることがあります。
与える人が増える社会へ
私たちは完璧な人を育てたいわけではありません。
成績優秀な人だけを増やしたいわけでもありません。
目指しているのは、
誰かを応援できる人。
誰かの役に立てる人。
そして、
自分の好きなことを通じて社会と繋がれる人です。
与えることは特別なことではありません。
笑顔でもいい。
言葉でもいい。
作品でもいい。
知識でもいい。
誰かにとって価値になるものを届けること。
その小さな積み重ねが、
やがて大きな縁を生み出します。
まとめ
不登校支援。
学習支援。
オンラインスクール。
フリースクール。
居場所づくり。
どれも大切です。
しかし私たちが本当に大切にしているのは、
「あなたにも誰かの役に立てる力がある」
ということを伝えることです。
学生時代に出会ったGive and Takeの考え方。
そして多くの子どもたちや大人たちとの出会い。
その経験を通して私たちは確信しています。
人は与えられるだけでなく、
与える経験によって大きく成長する。
エンラヴィットは、
そんな経験ができる居場所でありたいと思っています。

